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胡子神社(えべっさん)
 えべっさんは広島で昔から親しまれているお祭りで、毎年11月18日から20日まで 行われる広島市の胡子神社のお祭りです。 胡子神社は、三越広島店の裏の胡通りにありますが、えべっさんの日には多くの人々で 賑わいます。 胡子(えびす)神社は、慶長8年(1603)、町年寄りの銭屋又兵衛が町の繁栄のため、時の太守 福島正則に請願し、高田郡吉田に鎮座の胡子神を当地に勧請したと伝え、町名も当神社に因んで胡町 と改められました。浅野藩の時期には付近に商家が建ち並び、神社の祭礼の日には商家が胡講誓文払 と称して廉価販売をして殷賑を極め、元文2年(1737)には神社参詣の刻限を戌の刻と定められた程でした。 例祭には懸鯛一隻を供え。懸鯛開を行い、付近一帯の商店が誓文払大売出し(胡講大売出し)を行う。 商家は縁起物としての「こまざらえ」(熊手)を買い求め、当社にて祈祷を受け。一年間店内に飾って 商売繁盛を願います。  
えべっさん

2007/11/20 撮影 胡子大祭 18・19日が宵で20日が例祭(本宮)
えべっさん2
2007/11/20 こまざらえ


ひろしまでは「えべっさん」で親しまれる胡社の例祭です。 この日には「ミス福娘」がお勤めを行います。正面には賽銭樽がおかれ、 中央通り沿いから「こまざらえ(熊手)」を販売する露天が並びます。 「こまざらえ」は福をかき集めることから商売繁盛を願って買い求められます。 「こまざらえ」は、数千円から数万円のものまで各種あり、胡子神社横の こまざらえ受付場に持っていって清めてもらいます。

胡子神社

2007/11/25 いつもの胡子神社

  知新集 には、「慶長八年福島殿時代胡堂西十日市より此ところへ引うつしはしめて胡町と名つく、 古名市の町といふは其前より此處にて市立しけるゆゑなり、猶委しくハ寺社の部胡社の縁起に見ゆ、」 とあり。 市中山西光寺胡堂由来に「西光寺先年ハ高田郡の内吉田より沼田郡の内古市へ引ケ、古市より広瀬組の内西引御堂町へ引、是より胡町東引御堂町へ引申候」(知新集)とあります。
 広島市は、毛利時代に城下町となって発展しました。その際、古市へ市が置かれ、その後城下町ができて 現在の十日市へ市(三日、三日、四日の計10日市が開かれた。)が置かれた。その際に引御堂町(西引御堂町)の地名が生まれ、その後福島氏の時代に 十日市から今の胡町(もとは家中町で福島氏により山陽道が市内へ移され、町家町となる。)へ移転した。その際に東引御堂町の地名が生まれた。 胡町の誕生とともに平田屋川(現在の並木通り)一帯に新しい船着場ができて新船場町がのちに新川場となった。胡町へ抜ける小路に「天満屋小路」があり、 胡町に面した西角にある天満屋の屋号にちなんだものである。 このように、広島は西から東へと中心地が移動して、その後の新天地へと発展していきますが、最近はまた、紙屋町のシャレオなど西へも人の流れが 移っています。
 「えべっさん」が終わるといよいよ年末、広島市内はクリスマスセール、年末年始へとあわただしくなっていきます。

参考資料(続がんす横丁P6-10)