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広島の盆灯篭

(2004/08/15 寺町)
 
広島は、浄土真宗のさかんな地方ですが、これは戦国期急速に成長した浄土真宗勢力と毛利氏との提携により広まったものです。天正年間には大坂石山本願寺と織田信長との合戦では、仏護寺宗徒も毛利氏と出陣しており、毛利水軍の援助をえて籠城に悩む石山に多量の食料を送ったことが伝えられています。仏護寺や報専坊・超専寺・円竜寺などの有力寺院の多くが、真言宗・時宗・禅宗などか転宗して真宗寺院になったのがこのころです。そして、真宗のさかんな地方として安芸門徒と称されるようになりました。
 お盆になると、広島ではお墓に盆灯篭をそなえます。これは、安芸門徒(広島の浄土真宗)特有のもので、広島市を中心とした地域で行われているものです。「朝顔灯篭(あさがおどうろう)」ともいわれ、竹で作った灯篭にカラフルな色紙(初盆は白い紙)と金紙で彩られています。昔は、ローソクを灯したそうですが、危険なため現在はほとんど灯されていません。
 盆灯篭の由来ははっきりしませんが、
 「江戸時代、広島城下の紙屋の娘さんが、若くして亡くなり、それを悼んだ両親が紙で飾りを作って供えたのが始まり。」
 「江戸時代の広島城下、亡くなった娘のために石灯籠を立ててやりたいと思っても、そのお金がなく、それで竹をそいで紙を貼り、それを灯籠として供えたことが始まり。」
 などともいわれています。
 盆灯篭は、広島ではこの時期になると、スーパーやコンビニでも売られています。値段も500円程度から1000円以上のものもあります。最近は、中国産のものもあるようです。広島市中区の寺町では、旧道に沿ってお寺が並んでおり、その門前で朝早くから盆灯篭を夏休みの学生がバイトで売っています。
 この盆灯篭はお盆を過ぎると、仏様が迷ってはいけないのですぐに片づけられますが、以前は燃やされたりしていました。最近はゴミ対策が問題となっています。

(2004/8/15)